映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想

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    JUGEMテーマ:映画

    映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』チラシ

    公式サイト:
    http://www.foxmovies-jp.com/terminator/

    ターミネーター3(以下、T3)』の時にこれをやってくれれば良かった……

    『T3』にでてきた出来損ないのT-800とT-1000のハイブリッド、T-X。ただ金属骨格フレームを液体金属で覆っただけ……仕込銃のような携行火器を内蔵してるけど……それは果たしてバージョンアップと言えるのか?
    公開時、良いとこどりしたように喧伝されていたが、観ていて目新しいメリットが何一つなかった。映画自体面白くなかったし……

    しかし今回の敵役・REV-9は正しく「良いとこどり」をしていた!
    液体金属を分離して金属骨格フレームの分身を作ったり、巨大な刃物作って、取り囲んで取り押さえようと(おしくらまんじゅう)した軍人達を全員刺殺……
    金属骨格フレームも化ける人間(殺害済み)の体躯に合わせて変わっているように見える。

    既に日本語版のチラシに 『T2(ターミネーター2)』の正当な続編にして、新たなる伝説 と銘打っているので、実質の『T3』という位置づけなのだろう。
    しれっと『T3』をはじめ『ターミネーター4(以下、T4)』『ターミネーター:新起動/ジェニシス(T5)』が無かったことにされている……
    余談だが、私は『T4』の続編を見たかった…オチは納得してないが、SF戦争映画っぽかったし。

    人間と同じ外観をしながら、人間を凌駕する身体能力――機械――が、執拗なまで追いかけてくる。これこそ『ターミネーター』シリーズの醍醐味。
    しかも今作『ニュー・フェイト(以下、T6)』のREV-9はネットワークの情報網の侵入や検索能力にも長けている。昨今は出入国の管理も厳しいし、監視カメラがそこら中にあるため、あっという間に足が付いてしまう。
    そのためか、スピード感というより展開がはやく、色々詰め込まれていた感じがする。

    リアリティ

    監視カメラや無人偵察機、攻撃機もさることながら、ハリウッド映画は、アクション映画でも小ネタでもしれっと時事ネタを盛り込んでくれる。

    人間が機械にとって代わられる……AIのディープラーニングによって知識労働者でも省人化が進む(※1)と言われて久しい。
    しかし、ここではロボットアームが自動車製造の労働者にとってかわられることで端的に示していた。
    ロボットアームは労働を奪うものではなくて良い製品をつくるための“共働”するものだと思うのだが……そこが腑に落ちない。

    今後の戦争の脅威として、北朝鮮の長距離弾道ミサイル然り、EMP兵器が登場。(※2)
    しかしEMPでREV-9の動きを止めようとするも、兵器の被弾というしょぼい理由で日の目をみない……
    映画だったらギャレス・エドワーズ版『GODZILLAギレルモ・デル・トロ『パシフィック・リムで攻撃シーンがあったから今更描く必要もないのかもしれない。リアルかどうかは別として。

    時代の変化

    第1作『ターミネーター』公開が1984年。女性は男性に守られる“ヒロイン”で、サラ・コナーは未来の人類軍のリーダーであるジョン・コナーの“母になる”存在であるという理由だった。(それは聖書のオマージュでもあろう)
    次作『T2』では闘う女性になっていた。しかし少年のジョンの冒険譚と“母として子供を守る”という性別的な役割の縛りがまだあるように思う。

    今回の映画でサラはヒロインの一人・ダニーが自分と同じ役割を担っていると考えていたが、ダニーが将来の人類軍のリーダーだった。
    描かれる女性像の変化に時代を感じさせた。

    ダニーを守る人物・グレースが女性であることはその証左だと思う。その上で、体力的な強化人間という設定も、それに違和感を感じさせない高身長のグレース役マッケンジー・デーヴィスは良いキャスティングだと思った。シュワちゃんと並んでも遜色ない……

    サラという母、1人の女性の存在

    劇中、一番心を揺さぶられたのは、サラ・コナーのシーン。
    特にジョンを殺害したT-800と邂逅した際に身を潜めた森でのシーンが切なかった。

    「(追手に見つからないようにするために)写真さえなければ息子は殺されないと思っていた。一枚も残っていない。でも(息子が死んだ)今は記憶の中の息子の姿が朧げになっている……」呆然としながらそんな趣旨の言葉を独白する。老いを感じさせる彼女の姿に、サラ・コナーというキャラクターの行き着いた残酷な末路が伝わってくる。
    リンダ・ハミルトン“本人”でないと、この演技も言葉も嘘になってしまうだろう……リンダ・ハミルトンの復帰無くして、このシーンはできなかったと思った。

    全米から指名手配され、逃げ続け、戦い続ける運命を強いられた女性が、人生を賭けて守ってきた息子と未来はもういない。それは彼女が望んだ形ですらなかった。

    人類と機械の戦争のゆくえ

    この話続く(続ける)のだろうか?

    『T2』時間軸の功労とジョン・コナーの死によってスカイネットは存在しなくなったが、字幕ではリージョン(レギオン)という別の存在(AI)が人類を敵とみなし「人類vs機械」という図式は変わらなかった。
    別の未来でありながら、人型のアンドロイドを作り人類と争う点も……リージョンはスカイネットを知っているのだろうか?

    しかし……『ターミネーター』シリーズにおける人間と機械の戦争は、いつまでたっても戦争前夜で回避することができなかったり、未来の機械との戦争が始まっている時間軸でどうやって戦争を「終わらせる」か語られない……
    映画『マトリックス』のようにならないのだろうか……人間が機械の支配に置かれることではなく、機械との和平交渉に向けての行動という意味で。

    ここからは私の妄想になってしまうが、ちょっと考えてみる。
    『T2』で自我に目覚めた機械に、自ら制御できる道具ではなくなった兵器に恐れおののく人間が電源を切ろうとすることから、互いの生存をかけた戦いに発展したことが語られる。
    『T2』はスカイネットの存在そのものを存在させないようにするために画策する映画だったが、『T3』以降、それは回避されなかった路線を描き、「スカイネット」の破壊を目的に永遠と戦い続ける。

    戦争とは本来、始めたなら終わらせなければならない。その一番の着地点はどちらかがどちらかを殲滅することではなく、互いに生存――共存――する条件を策定することであるのは言わずもがな。『ターミネーター』シリーズにそういった未来は描かれてこなかった。
    そのための人間の使者を送り込むのが難しいというなら、T-800が適任ではないか?
    同じ存在ではないが、『T2』で「何故人間が泣くのかわかった」と語っていたし、今回のT-800は何気にステップアップファミリー築いていた。人間との交流の経験と時間が、T-800を変化させている。機械でありながら人間の良さと悲しみを理解している存在なのだから。

    人間の感情をデータ化(数値化)できたなら、それを持ってスカイネットだかリージョンだかにそれを共有すれば、人間を理解して和平への道を模索できたのではないか…そんな妄想も膨らむ。

    『T2』でT-800は寿命は120年に設定されていると言っていた。その設定のままなら、ダニーとグレースの時間軸で2人と邂逅しても良かったのではないだろうか?だいぶおじいちゃんな外見だろうけど……

    1. AI(人工知能)は仕事を奪うのか生み出すのか|なくなる仕事・新たな仕事【事例あり】
      https://ledge.ai/ai-work/
    2. 北朝鮮が示唆する「電磁パルス攻撃」という脅威──それは本当に「全米を壊滅」させる力があるのか
      https://wired.jp/2017/11/15/north-korea-emp-threat/
    参考文献
    SCREEN(スクリーン)2019年12月号
    映画秘宝 2019年 12 月号 [雑誌]
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