北川健次展「Prelude―記憶の庭へ」

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    北川健次展「Prelude―記憶の庭へ」

    銀座・画廊香月にて。
    http://www.g-kazuki.com/

    〜2018/4/24(火)まで。

    再び、画廊香月での個展。
    実は去年もあったようだが、私は伺えなかった……

    築80年を超え、昭和初期のモダーンな雰囲気を今に残す奥野ビル(※1)。 レトロな空間が素敵だし、雰囲気が先生の作品に合っている。

    遒と△房められたコラージュオブジェは、『ルドルフ2世の驚異の世界展』を観に行った後の私には、ヴンダーカンマー、蒐集の極みの一部の様に見えてしまう。

    いつものように、気に入った作品の感想など。


    《美しきカリエラの〈眼〉のある肖像》

    DMに使われている作品。

    少女は湾曲したガラス越しにこちらを見ている。
    バロック――歪んだ真珠、それにちなんだ装飾過多の様式――を想起させるガラスは、そのいびつさ故に不安を掻き立てられ、ガラス越しという直視できない状態に、“隠された何かがある”ような緊張感を漂わせている気がした。

    サイコロに賭け事や占いのイメージをみる。
    私はそこから少女に対して、前者ならいかさま師を、後者なら先の見えない不可視なもの、運命の女神、予言者などを見出してしまう。

    《秘められた家族の肖像》

    見る者に対して横向きに座っていると思われる男性。その男性に寄り添う女性はこちらを見ている。男性と女性の顔を覆うように、ガラスのレンズが置かれている。そのレンズの縁は男性と女性の眼の縁を結ぶように配置されている、偶然の一致。
    サイコロの目のような、何かのゲームの数字版にある数は「2」「3」。そのすぐ脇に、斜めに置かれた小さなサイコロの目は「5」。単純に何か繋がりがあるのではないかと想像してしまう。
    小さなサイコロの傍から少年の目がこちらを覗き込んでいる……

    寓意的で暗示的な様に、 ブロンズィーノ《愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)》(※2)を思い出す。
    《美しきカリエラの〈眼〉のある肖像》同様に、ガラス越しの女性の視線。
    何かが隠されているような、思わせぶりにこちらを見ているように感じてしまう。
    そう考えてしまった時、女性は完全にファム・ファタール――男を破滅させる、運命の女――に見えてしまう。男性の肩に添えられた手は、まるで男性を支配してしまうことを暗示しているように映る。

    一番気に入った作品だったので、つい、饒舌になってしまった……

    先生と話していたら、この作品にはヴィスコンティ監督の映画『家族の肖像』(※3)のイメージがあったそう。

    《偽りの若きmontaigneの肖像機

    カンバスぎりぎりまでトリミングされた、横向きの女性の肖像に重なって配された歯車と用途不明の金具部品。 肖像の体軸に沿って配されたそれはまるで、横向きの女性がゼンマイ仕掛け――アンドロイド、すなわち『未来のイヴ』――であるように思えた。
    理想の美を再現しようとした試み……それが成功か失敗かは、見る人次第だろう。

    シンメトリックな造形ゆえに安定しているように思えるし、対称的なのに側面である女性像の不協和音……アンシンメトリーさが気になる作品だった。


    昔の作品などはもっと…ナイフみたいに尖っていたような気がしたが、現在の作品は何となく、観覧者に解釈を委ねるゆとりがあるように思ったり……
    それは観ている人間の内面を映し出している――観ている人が自身の内面を投影してしまう――ためだろう。

    先生は鑑賞者と作品の波長(のようなものだろうか?)が合う瞬間があるという趣旨の話をした。それは運命的な出会いか、必然か……

    袖振り合うも他生の縁、これら作品群を見て、他人がどんな感想を抱くのか聞いてみたい。

    北川健次先生オフィシャルサイト
    http://kenjikitagawa.jp/

    1. 築85年のアートな銀座「奥野ビル」から新たなデザイン&アートを発信 | 2017年記事
      http://sumau.com/2017/page_category/parent_information/urban_info/1372.html ( 2018/4/12 確認 )
    2. ブロンズィーノ-愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)-(画像・壁紙)
      http://www.salvastyle.com/menu_mannierism/bronzino_amore.html ( 2018/4/12 確認 )
    3. 映画『家族の肖像』デジタル完全修復版 公式サイト|2017年2月11日 岩波ホールほか全国順次ロードショー
      http://www.zaziefilms.com/kazokunoshozo/ ( 2018/4/12 確認 )
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