コラージュ −切断と再構築による創造

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    JUGEMテーマ:コラージュ
    JUGEMテーマ:美術鑑賞

    コラージュ展 チラシ

    今年最初の美術館での展覧会鑑賞。

    『コラージュ −切断と再構築による創造』
    2009/1/20-3/8
    東京国立近代美術館にて。

    イメージを破壊しつつ、新たな創造に結びつける――
    コラージュが切り拓いたさまざまな展開の一端を、所蔵作品約30点を通して見ていく展覧会。

    気に入った作品の感想。現代美術は著作権関係の問題あると思うので、作品掲載は控えます…
    下記ページに作品が多少見れます。
    http://www.momat.go.jp/Honkan/Collage2009/index.html
    ここで作品検索すると見れます。
    http://search.artmuseums.go.jp/index.php

    マックス・エルンスト
    《マルスリーヌ・マリー(『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』より)》
    廃墟の神殿の内装、中に浮くようにあしらわれた磔刑のキリスト像の前に、裸体の女性。
    懐古趣味的な素材が違和感無く配置されており、まるで元々一つの版画作品であるかのようでした。
    もちろん、近くで見ると変色で紙の違いが解りますが。
    この作品を見て、フェリシアン・ロップス《聖アントニウスの誘惑》を思い出してしまいました…

    ジョセフ・コーネル
    《ウィーンバンの店》
    箱のコラージュ。
    古く、風情のあるガラス戸のついた木箱。
    白く塗られたその中に教会の円形ファザードを思わせるアーチの木片。
    全体の雰囲気がマックス・エルンストの作品を見た事もあってか、“廃墟”を連想させます。
    こう言ってしまうとまるで神聖な空間のようですが、猫と犬のコラージュが可愛らしく、宝箱に込められた思い出のようです。

    星野眞吾
    《白い作品・男》
    http://search.artmuseums.go.jp/records.php?sakuhin=2725
    シンメトリーな作品。
    男の魚拓のようにも思えましたが…
    画面下中央、両側に手が象徴的に添えられた作品。
    男と手、タロットカードの“隠者”を思い出します。
    思慮深い老成した“男”…手。
    隠者のカードに対応するヘブライ語は“ヨッド”――手を意味し、それはあらゆる言葉を作り出す、原初の言葉。
    父の象徴でもあり精子や無意識の隠れた意志本質を表わす。
    そんな連想が出来ました。
    参考
    http://www.west-mira.jp/tarot_card_dictionary/html/0/major_09/
    http://tarot.bellaluce.net/imply/index.html?n=10

    不動茂弥《秘儀》
    http://search.artmuseums.go.jp/records.php?sakuhin=2734
    升目上に整然と並んだ、古い書をコラージュした作品。
    書の、書かれている漢字が象徴的に見えます。
    密教の経典や曼荼羅をを連想させます。その呪術的な雰囲気に惹かれました。

    日々是勉強。これが私のコラージュ制作の力となるか…

    コラージュの歴史もよく解る展覧会でした。
    30点の作品。
    数が少なかったので、作品1つ1つをじっくり見ることが出来ました。

    第一次世界大戦(1914-18)や第二次世界大戦(1939-45)をはじめ、大規模な破壊を経験しました。目の前の世界の崩壊は、人々を不安に陥れ、既存の価値や枠組みへの不信を抱かせるとともに、今までのあり方にとらわれない新しい表現の創造を促しました

    しかし現代は、破壊と創造を繰り返したものの、改善されないものの存在――例えば自然破壊、物質で豊かになるも、満たされない心や新たに生み出される諸問題、根本的な社会構造の矛盾が浮き彫りにされているのではいでしょうか。
    コラージュはそれで傷つけられた心を癒してくれるのではないかと…
    芸術は諸問題に直接、力を行使する事はありませんが、訴える、問題定義をする、再認識させる力があるのではないかと思います。
    それが人に共感を、そこから癒されるのではないかと…
    もしかしたら、コラージュ療法とはこういうものか……私は心理学の専門家ではありませんが。

    コラージュ――フランス語の「coller(のりで貼り付ける)」を語源とする事から考えると、後半のそれは少し違うような…
    しかし“再構築”という点……それは共通。コラージュの進化系か。
    再構築とオマージュのそれ。
    美術も歴史の中。
    表現方法として、そしてどの様な作品が生まれてゆくのか、楽しみです。

    そして私は、何を見つけ、何を生み出し、何を残していけるだろうか?

    この展覧会のチラシ、拘りがありました。
    写真の"a"と"g"を観音開きに開く事が出来て、そこに作品が掲載されているという。紙1枚だけのものではない、折り加工が施されています。
    無料で配布されていた展示作品目録も、小冊子製本され、表紙にさらに半透明の紙に赤いインクで特殊印刷されているものが貼られ、まるでコラージュのようです。


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      • 2019.10.27 Sunday
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